美醜の大地 第3話:私は特別
ハナの過去の回想。
スミ子が無理やりハナの髪を切ろうとしている。嫌がり暴れるハナ。ハサミの刃先が鼻をかすめて怪我をしてしまうハナ。さらにスミ子はハナに強烈な蹴りを喰らわせる。
場面は北海道函館市。
カフェで手紙を読みながらハナのこと、女学校時代の思い出にふける女性:スミ子がいた。スミ子は一家4人で北海道の漁師町に来たが窮屈だったため家を出て一人、函館で生活をしていた。
そんなスミ子はカフェの看板娘であった。そして外見は美しい。自分を一般の人間より特別だと思いこんでいる。
スミ子の働くカフェにはもう一人、美しい女性がいた。それが菜穂子と偽名を使っているハナだ。容姿端麗な二人は休憩時間中に他愛もない会話をする。スミ子も菜穂子が自分同様に外見が美しいので仲良くして、認めている。
そんなスミ子もカフェにくる客の中で苦手な人物がいた。
フランケンシュタインのような顔面を持つ中川といった男だ。中川はスミ子のファンである。しかし、スミ子は醜い顔と暗い性格が苦手のようだ。同じく菜穂子にもファンがいた。それは弱小ローカル誌の記者:綿貫晋平である。ハナの優しさに触れて一目惚れをしているような感じ。
スミ子が自宅に戻るとポストに手紙。どうやら中川が書いたポエムのようだ。気持ち悪くなりゴミ箱に投げ捨てる。
翌日、カフェには再び中川が来客していた。スミ子を見てニタァと笑う中川。寒気が体中に走るスミ子。その夜、スミ子は議員秘書とデート。御眼鏡に叶う男性のようだ。自宅に戻るとまたポストに中川から手紙。しかもデートしていたことまで書かれている。スミ子はストーカーされていることに恐怖を感じる。
翌日、菜穂子はスミ子の顔色が悪いので心配をする。そしてスミ子が捨てた中川からの手紙を見てしまった旨を伝える。泣き崩れるスミ子。菜穂子に中川にストーカーされていることを相談する。
菜穂子は護衛してくれそうな人を探して当面、守ってもらうのはどうかと提案。スミ子はカフェにくる常連客に護衛をお願いすることに。
その夜、紙袋を持って歩く中川の姿。そこにカフェの常連客が立ち塞がり中川を変質者扱いして暴行を加える。紙袋の中にはスミ子への贈り物。しかし、踏み潰されてしまう。その一部始終を隠れてみていたスミ子。事が終わると中川の前に現れて「気持ち悪いのよ、醜男のくせに」と吐き捨て、その場を去る。
中川もカフェに来なくなって良い気分のスミ子。仕事が終わりカフェを出る。すると顔に液体をかけられる。
液体が付着した皮膚は焼けただれていく。痛みでのたうち回るスミ子の前に現れたのは中川だった。
醜い心のような顔になれ…と言い残し現場を去る中川。スミ子の顔はボロボロになり髪も抜け落ちてた状態に。
場面は病院。
顔全体を包帯で巻かれているスミ子。もう二度と以前の顔には戻れないようだ。見舞いにきた記者の綿貫が事の発端をスミ子に説明する。泣き崩れるスミ子。
綿貫が帰り、ふと窓から路地を見るとハナが立っていた。スミ子はハナの復讐と思い込む。病室を出て路地に出る。ハナの後ろ姿を捉えて追いかける。
次の瞬間、車に跳ねられて帰らぬ人になるスミ子。
その一部始終を見ていた記者の綿貫。スミ子が追いかけていた女性に不信感を抱く。
場面はついに絢子へ。
絢子の隣には酷く怯える女性が一人。部屋に入ってきた男性に連れていかれる怯えた女性。絢子の部屋に悲痛な叫びが聞こえる。何も動じない絢子。